面影橋姉妹の日々

突然意識不明になってしまった妹と姉の日々を綴ります

晴天の霹靂

私は、群馬県の地方都市で、のんびりと老後を迎えようとしていた主婦です。2人の息子は独立し、家には夫と3匹の猫がいます。趣味は手作りと保護猫活動のお手伝い。実家は埼玉で、3歳下の妹ゆきが91歳の父と猫のまるくんの世話をしながら暮らしていました。

半年前のその日も、いつものように朝から家事をして、猫の世話をし、渡良瀬川の土手を散歩しました。昼には妹が作ってくれたミートソースを解凍してパスタを食べました。午後からは、市内に借りているアトリエに行き、作業していました。12月になったので、クリスマスツリーやスノービレッジの飾り付けの真っ最中でした。妹に「ミートソース美味しかったよ」と電話しようとして、どうせ夜には電話するからいいか、と考え直して、また狭い部屋を行ったり来たりしていた時、電話がかかってきました。父からでした。

「ゆきが倒れて、救急搬送された」

慌てて戸締りだけして、埼玉の実家に向かいました。普段は使わない高速道路を走りながら、どうか生きていてほしいと、そればかり念じていました。

こうして、怖い夢の中にいるような日々が始まったのです。

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