面影橋姉妹の日々

突然意識不明になってしまった妹と姉の日々を綴ります

お別れ

妹の葬儀を執り行わなければなりません。それなのに、妹の長男がコロナに感染したらしいというのです。7歳下の次男が喪主になるとしても、本人は不安そうです。そんな時、従姉妹が教えてくれたのは、最近、何人かが連名で喪主になることが多いということでした。誰がいつコロナに感染するかもわからないし、自治体から支給される埋葬料の手続きも、会葬御礼はがきに喪主として印刷されている者が行えるということで、妹の場合も、長男、次男、姉の私の3人の連名としました。

葬儀の日程を決めようとすると、斎場もお寺も、予約がいっぱいで、通夜が5日後、告別式は6日後が最短だということで、やっと決めることが出来ました。日にちがかかるため、エンバーミングという処置をお願いすることにしました。費用は、18万円。高額ですが、ドライアイスもいらなくなるし、衛生的で、美容的にも、妹が喜びそうです。いつ頃から導入されたのか知りませんが、6年前の母の葬儀の時にはまだ耳にしませんでした。(式場は同じです。)

全国のコロナ感染者数は高止まりで、内うちの家族葬ということにしました。それにしても、長男は、どうすればいいのでしょうか。やはり、陽性の判定がでました。それほど重くはないようですが、無症状ではないと言います。発症から数えると、告別式の日がちょうど10日目です。身内にも高齢者はいるし、父のこともあるし、でも、妹と長男を会わせてあげたい。悩みました。

父も、妹に会わせたい。家の中では移動に不自由はないとは言え、長時間、ポータブルの酸素ボンベでは負担がかかるし、車椅子が必要です。介護タクシーを頼もうと考えましたが、予約が取りづらく、難しいと思い、急遽、介護保険で車椅子を借りました。父には、通夜は家で留守番してもらって、告別式には車椅子で参列して、出棺後に私が家まで送り届けることにしました。式場、家、斎場が、それぞれ車で30分圏内にあることと、私の車は、軽自動車ですが、天井が高いゆったりしたタイプなのも助かりました。

葬儀というものは、みんな慌しく、ハプニングがあったり、勘違いがあったりするものなのでしょうが、今回も、バタバタと進んでいきました。

結局、長男は、通夜の日の深夜、妹に対面しに来ました。翌日は、斎場で、最後の収骨の時だけ参加して、お骨を抱いて斎場を後にしました。

月曜日に亡くなって、土曜日に通夜、日曜日に告別式、ちょうど一週間のことでした。

私には、妹が8ヶ月も寝たきりで頑張ったのは、ひとり暮らしの長男が、コロナに感染しても、重症化せず、回復するのを見守って、その難を背負っていくためだったのだと思えてなりません。それでも、ぎりぎり別れを告げられるように、ちゃんと段取りして…

ゆきらしい最期でした。お疲れさまだったね。

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