面影橋姉妹の日々

突然意識不明になってしまった妹と姉の日々を綴ります

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あじさい

梅雨に入り、ベランダではアジサイの花が咲き始めました。花は3つ、冴え冴えしたブルーがきれいです。去年はこの倍くらい花が付いて、妹は喜んでいました。隣のクチナシも、20以上も蕾を付けて、咲き始めた花からいい香りが漂っています。クチナシは、母の…

矛盾

突然、予想もしないことが起こって、自分が昏睡状態に陥ったとしたら… 普段からそんな状況に備えて何かしている人は、そんなに多くないと思います。 うちの場合も、元々、高齢の両親だけが住んでいた家だったため、妹の印鑑、通帳、保険証券や、着替えさえ、…

悲しみの中で

妹は、倒れて4ヶ月が過ぎて、眠ったまま61歳の誕生日を迎えました。昨年の誕生日はどうしていたのか、何をプレゼントしたのか、なかなか思い出せません。 突然、妹がいなくなった実家には、何もかもが妹がいた時のまま残されています。飲みかけのペットボト…

私の妹、

ゆきは、私とは、外見も性格も全く違いました。周りを気にせず、あまり女らしくない私に対して、周りをよく見て、敵を作らない、女子力の高い妹。若い時は、反発し合って、仲のよくない姉妹でした。お互いに結婚し、子供ができて、いろいろ経験していくうち…

父との暮らし

父と、猫のまるくんと、私との生活も、数ヶ月になり、ようやくペースがつかめるようになってきました。実家といっても、私が出てから引っ越して来た家なので、訪れてはいても、住んだことはありません。お店や、公共施設も馴染みがなく、教えてくれる人もい…

どこにいるの?

妹は、眠ったまま、転院先の病院に移りました。 病院と言っても、外来の患者がフロアで順番を待っているような病院ではありません。入院患者が、ひっそりと、淡々と、最低限の対応で、日々を過ごすための病院です。折しも、コロナのオミクロン株が広がってき…

長期療養型病院へ

近年、医療が進歩して、心肺停止から蘇生するケースは増加しているといいますが、その7割が蘇生後脳症になるそうです。脳がどんなダメージを受けているかによって症状も様々になり、妹の場合は、ほとんど自発呼吸がないため、気管切開して人工呼吸器を装着し…

面影橋

タイトルがなぜ面影橋姉妹なのかというと、私と妹が育った団地の名前が面影橋住宅だったからです。新宿区戸塚一丁目410番地、都電荒川線の面影橋駅から徒歩3分の、4階建ての建物が4棟ある団地でした。小さな池が3つと、砂場と原っぱもあります。隣接して甘…